
睡眠は量が足りてなければ、いくら質を上げてもあまり不調改善やパフォーマンスアップの効果はありません。
ども、ナオヤです。
睡眠は量か質か問題がありますが、圧倒的に量が重要です。自分の身体でも体感していますし、メンテナンスを受けてくださっている方も体感している。
今回は、睡眠改善するならまずは量を確保した方がいいというテーマでお話ししていきます。
睡眠改善するならまずは【量】
睡眠を改善したいなら以下のような手順です。
- 自分に必要な睡眠の量を確保
- 睡眠の質を上げる
これが鉄則です。
量が確保されないと質を上げても意味がない
睡眠の質を高めることは大切ですが、それ以前に十分な睡眠時間を確保しなければ意味がありません。
睡眠は、 時間の確保なしに最適化することは不可能 です。
どれだけ良い寝具を使っても、どれだけ習慣を整えても、睡眠時間が足りなければ、脳や体の回復は不完全 になってしまいます。
たとえば、けっこうやりがちな方法として、1日4時間しか睡眠をとってないのに、布団をいいものに変えてみたり、睡眠の質を上げるサプリを飲んでみたり、量を増やすのではなく質を上げるアプローチ。
本当は、睡眠時間を十分確保するほうが、質が多少悪くても、疲労回復や思考力の向上が見込めるというのが実際のところです。
睡眠の最適化は「 ま ず 量 を 確 保 し 、 そ の 上 で 質 を 考 え る 」のが正しい順序です。
量が確保されないと体に起こる異変
睡眠時間が不足すると、精神・免疫・思考力・死亡リスクなどに悪影響が出ます。
とはいっても、なかなかイメージしずらいと思うので1つ面白い研究をご紹介します。
オーストラリアで行われた実験にて、17時間以上の覚醒状態が続くと、作業能力が血中アルコール濃度0.05%(酒気帯び運転レベル)と同等になるという結果が出ています。
血中アルコール濃度0.05%は一般的に【ほろ酔い】と言われるような状態と同等程度の認知・運動機能、判断能力になります。つまり、睡眠時間が7時間を切ってしまうと、どんどん【ほろ酔い】に近づいていくということです。
「少しの寝不足くらい大丈夫」と思っている人は要注意です。
紹介したように睡眠不足の状態は、酒気帯び運転と同じ影響を及ぼす可能性があります。集中力や判断力の低下を防ぐためにも、まずは十分な睡眠時間を確保することを最優先に考えてみましょう。
睡眠の量は人によって違う
先ほどの研究から分かるとおり、7時間以上は寝た方がよさそうです。が、必要な睡眠量には個人差があります。
年齢・生活習慣・遺伝要因 によって、必要な睡眠時間は変わるため。
- 生まれつき睡眠時間が短くてすむ(ショートスリーパー)
- 歳をとると睡眠時間が短くなる
など。
「7時間が最適」とは言われていますが、大切なのは自分に合った睡眠時間を知り、自分に必要な睡眠時間をしっかり確保するということが重要です。
自分に必要な睡眠の量を調べる方法
自分に必要な睡眠時間を知る方法は、眠れなくなるまでとにかく寝ることで調べることができます。
人は必要以上の睡眠を取ることができない
人は本来、必要以上に寝ることはできません。
体が必要とする睡眠時間を超えると、自然と目が覚めるようにできており、寝ようとしても【 こ れ 以 上 寝 れ な い 】という状態になります。
そのため、 「寝すぎる=睡眠不足が解消されていない可能性がある」 ということ。
3日間連続で10時間以上寝たとすると、それは 「それだけ不足していた」というサイン。しかし、その後 7時間程度で自然に目覚めるようになれば、それが自分に最適な睡眠時間 ということ。
まずは 自分がどれくらい寝れば自然に目覚めるのかを把握することが大切 です。
【調べかた】4日間、目覚ましを使わずに眠れるだけ眠る
最適な睡眠時間を知るためには、4日間「目覚ましを使わずに眠れるだけ眠る」ことが有効です。
はじめの数日は、寝不足を解消するために長く眠る可能性がありますが、睡眠が十分に足りてくるとある一定の時間を超えて眠れなくなります。
- 11日目:10時間
- 2日目:8時間
- 3日目:7時間30分
- 4日目:7時間30分
安定してきた時間が 「自分の最適な睡眠時間」 ということになります。僕は7時間30分くらいが自分に最適な睡眠時間なので、なるべく、これ以下の睡眠時間にならないように注意しています。
目覚ましを使わず、4日間「眠れるだけ寝る」ことで、自分に必要な睡眠時間を知ることができます。
質を上げる前に、まずは量を確保しよう
多くの人が睡眠改善というと【睡眠の質】ばかり気にするが、それ以前に必要な睡眠量を確保できているかが重要です。睡眠の「質」よりも「量」が確保されていなければ、どんな工夫をしても意味がありません。
時間の不足は、体調不良の原因になるのはもちろん【ほろ酔い】と同じような身体の状態になってしまいます。
まずは、自分に必要な睡眠時間を知り、睡眠量がそれ以下にならないような生活を心がけましょう。
参考文献
- 快眠法の前に今さら聞けない睡眠の基本 柳沢正史監修 朝日新聞出版
- Dawson D, Reid K. Fatigue, alcohol and performance impairment. Nature. 1997 Jul 17;388(6639):235. doi: 10.1038/40775. PMID: 9230429.